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2024/04/26 16:06 |
【逆鱗に唇を】・【花のゆりかご星の雨】



先日、舞台公演をはしごして来ました。
公演中にレビュー書きたかったのですけどねー。

次回公演の出演者おふたりが関わっている公演でした。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

地球割project 第8回公演
【逆鱗に唇を】
@新宿タイニィアリス


綾小路★流騎亜さんのお誘いで、観に行って来ました。
過去に、照明や音楽をまったく使わずに上演したこともあるという団体。
うむ。骨太でよいね。指でOK


パンフにはいっさい目を通さずに観てみる事にしました。なんとなくです。

まずは、会場整理の方の案内がしっかりしていて、ホッとしました。
これ、けっこう重要なんですよね。
舞台上では、客入れ芝居が行われていて、何だか懐かしい。アリスって、客入れ芝居が多いイメージがあるのです。昔、自分もやったからかな?


さて、本編開始。

基本的に、演者は常に舞台上に出ていて、空間を支える存在(あるいは空間そのもの)となっている。
動いていたり、静止していたりと、その時々で色合いを変えます。

言葉のやりとりは、感情よりも呼吸を意識されているようで、エネルギーを落とさず、呼吸のやりとりによって、回転を上げていく手法に思えました。
演者の身体によって、世界が生みだされ、観客側の想像力を刺激する。
なかなかハードな手法です。
私は、こういうのは好きですね。


ですが、セリフを発する演者の多くが喉を潰してしまっていたようで、ちょっと聞いていてツラかったです。コロスを使って空間を築いていても、その空気を壊してしまう話し方になっている事がありました。
セリフ自体も、多くが説明セリフなので、こうなると、やはり観客は苦しい。(脚本は、あえて寓話的に「むずかしくない」言葉で構成されているのでしょうけど。)
説明しすぎじゃないかな?
というのが、前半の率直な感想でした。

テーマの扱い方などはとても素敵で、好みです。
メッセージ。メッセージ。メッセージ。


ラストシーンが、大変に美しかった。
いやあ、これ素敵☆
薄明かりに中に浮かぶシルエットと、コロス(?)の発する音が、様々な想像力を刺激する。
ここで初めて、言葉が、イメージとして浮かび上がる。
崩れていく彼女に、美しさがある。
発することばが、悲しい美しさに満ちる。
おそらく、これが、この団体の本領なのでしょう。
前評判からイメージしていたのは、まさしく、こういうシーンである。

個人的には、これを最初から観たかった。
でも、それは好みの問題ですかね?


大事なのは、そこに込められたメッセージ。
受け取る側の我々も、試されている。求められている。


「考えろ。ものすごく考えろ。」


自分の逆鱗は、どこにあったか?



作品世界を体言する、という事の難しさを改めて感じました。
意欲的な団体ですので、要注目かと。




~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



夜は、菅野貴夫さんの所属する時間堂の公演を観劇。
【三人姉妹】以来です。

「CoRich舞台芸術まつり!2009春」最終選考作品
時間堂
【花のゆりかご星の雨】
@渋谷ギャラリーLE DECO


飲食自由ということで、ビール片手に観てきました。
こういうのは、やはりイイ☆

音響・照明をほとんど使わず、雨の音やドアの開け閉めなどを、楽器や道具で表現する手法。
扇子芸も使われていて、自分としては、「わーい☆」という感じ。

人それぞれに想いがあり、考える事があり、問題があり、苦悩と悔恨と、大切な思い出がある。
それは、本当に些細な事で。
でも、大きくて。

作者・黒澤さんにとって、『今』大切なこと、感じていること。
そういったものが込められているようでした。
私と同い年らしいですが、共感するものがありましたねえ。

この、楽器や道具による音の表現、シンプルな上演スタイルは、是非、続けて欲しいな、と思います。
これは、『芸』でしょう。いろんな可能性があります。

だって、これはどこへでも行けるんだもの。
旅団ですよね。
カフェだって、公園だって、道端でだってできる。
ブカブカドンドン♪と、
音楽鳴らしながら、街にやってきて欲しいなあ。
本公演と併用するカタチでもいいのではないかと。

―なんて、勝手に盛り上がってすみません。


どちらかと言うと、スロウバラードのような作品のため、観客の中には、物足りなさを感じてしまう人もいたのではないでしょうか。
個人的には、もっと音楽や歌を聴きたかったです。作曲できる人が劇団に居るっていいなあ。
とはいえ、まだまだ開発途上のスタイルなのでしょうし、今後が楽しみです。



偶然、地球割projectも時間堂も、観客の想像力に語りかける手法だった訳ですが、興味深いものがありました。
シンプルなものは強い。
頑丈で、繊細だ。

うーん。世の中、面白いモノはいっぱいあふれているなあ。
一座もがんばらねば。




小櫃川 桃郎太(おびつがわ ももろうた)
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2009/06/16 15:36 | Comments(0) | TrackBack() | 観劇記録
ダルカラミタカラ!!!!






予告通り行ってきました!

Mrs.fictions presents
『15MINUTES MADE  VOLUME5』

日本語無し! 読めん!


6団体それぞれ、持ち味が違って面白かったのですが、
ふな蔵さんが言っていたとおり、後半3団体が特に素晴らしかったです。


青☆組
『恋女房』
作・演出:吉田小夏

ヤバイ!!
俺、これ大好きです。
シュールであやふやでシニカルで、緻密な計算と確信犯的な構成。
誰でも楽しめる作りながらも、実は重たいテーマを孕んでいるのって好きです。
ビックリなのは、これを書いたのが女性だって事ですな。



東京ネジ
『再会(夏目漱石「夢十夜」より)』
作:佐々木なふみ
演出:佐々木香与子

うわあああ。
なんだ! この限り無い哀切と懐の深い底知れぬ優しさは!!

哀しみを知る人の、限りない人間賛歌・人間哀歌。
「またね」があまりに切ないです。

実は『みみ』を観たときは「ちょっと苦手だなあ」って思ったのだけど、
今回の作品でちょっとファンになってしまいそうである。



DULL-COLORED POP
『15分しかないの』
作・演出・音響製作:谷賢一

涙が出る。涙が出る。涙が出る。
舞台観て涙ぐんだの、久しぶりだぞ。
なんで俺、女性側に感情移入してるんだろう?

主演・堀奈津美の持つ「ダルさ」と
桑島亜季・境宏子・千葉淳の奏でる音の配合が、見事。
会場の空気を完全に支配していた。


ある意味【演劇】というものを体言してみせた作品ではなかったか。
なんて事を思う。

ちくしょう。こいつらオシャレな劇団だったんだな。知らなかった。
うまいなあ谷賢一め、こんな手札も持っていたのか。
テレビドラマのように見えても、絶対にこの味は映像では出せない。
出せないのです。

負けないもんね!
俺は、自分にしか出来ない世界感で勝負するもん!




この公演、明日まで。
池袋シアターグリーンBOX in BOX THEATERでやってます。
観るべし。観るべし。



※写真は、なっちゃんとチバジュンと自分(今回、着物)。
なんか、ワルい顔(笑)。



 
                    小櫃川 桃郎太(おびつがわ ももろうた)


2009/03/14 12:59 | Comments(0) | TrackBack() | 観劇記録
じっくり ことこと煮込んだ リーディ ング


『小部屋の中のマリー』で共演した、
田中のり子さんがリーディング公演に出演するとの事で、観に行って来ました。


reset-N 新作ドラマリーディング
『曖昧さ、眠り、そして悔恨、しかしながら』
@NO SMOKING CAFE MODeL T


「リーディングって何?」
って聞かれると

「さあ・・・?」
と答えるしかないので、その辺は置いておきます。



私の率直な感想としては、

「酒を飲みながら、なんだかイイ音楽を聴いてきたような気がする」

そんな感じです。


・・・うーん、こういう感想って、創り手側からしたらダメなのかなあ。
でも、私にとっては、そうだったのだから、仕方がない。


前回の『閃光』が、初観劇だったのですが、
『閃光』が、目覚めて枕を濡らしているような、(哀しい)夢だとしたら、
今回は眠りから覚めるちょっと前。まどろみ。
または、再び眠る前。
そんな感じ。


作品の上演時間は1時間程。
しとしとと流れる、演者の声や音楽。

『稽古場』に『演出家』は現れず、
待って待って信じてあきれて
あきらめつつも演技を繋ごうとする『演じるはず』の人たち。
虚構と現実の境界線がマーブル模様に混ざっていって、
あたしゃほろ酔い、ほろほろ酔い。

継ぎ目に入ってくる狂言回し夏井さんの声。

ページをめくる音。
外ではためくベージュのシート。
時々、外の車の音も聞こえてきたり。


プロローグを聴いている段階で、
「ああ、こりゃあ音楽だなあ」なんて思ったのですよ。


私が個人的に、言葉の意味や背景をとっぱらった時に生まれる
『空気』みたいなものが好きなせいもあると思うのですが、
あまり作品の内容を理解しようとし過ぎないようにして観ていました。
考えてしまうので。


とろとろと煮込まれながら、
自分に聞こえてくることばに耳を傾ける。

言葉の意味から受け取れるモノは、
あまりにあやふやで、さだまらず。


演じている人達 を観ている私達

を  わたしたちは知らずに演じている 

ようだよ



―ああ、何だか、また分かったような事書いてるなあ、やめようやめよう。


やっぱり俺は知的な分析はできないな。
「なんとなく」しか言えないな。


あたしは、なんとなく好きだったんですよ。そんだけです。
これじゃダメかなあ?



客席に、小林タクシーさん・猫道さん・久保亜津子さんがいらっしゃいました。
あまりに面白い組み合わせだったので、写真を撮ったよ☆







のりちゃん、おつかれさまでした。
コント素敵。またやって☆



―明日はダルカラ、観るカラ。





        小櫃川 桃郎太(おびつがわ ももろうた)



2009/03/13 00:10 | Comments(0) | TrackBack() | 観劇記録
観劇記録 箱庭円舞曲 第十二楽章『メガネに騙された』


先週の事ですが、久々に下北で観劇してきました。
知り合いの役者さん、ヤナカケイスケさんからお誘いをいただき、観に行ったのです。


箱庭円舞曲 第十二楽章
『メガネに騙された』
脚本・演出・前説
古川貴義
@下北沢OFF・OFFシアター


いや、面白かった!!

私、刺激的な舞台を観ると、嬉しさと興奮で
「くけけけけけけけけっ」
と、筒井康隆の小説の登場人物のような笑いが込み上げてきてしまうのですが、
この舞台、のっけからありました。


すごく簡単に説明すると、舞台はとある地方の農家。
「都会を離れて農業をやりたい」という人達に、ノウハウや土地を斡旋したりする、あるお宅のお話。
農協も後押ししてくれて、「顔の見える農業」を目指す人々はやる気十分に取り組んでいくのですが・・・。
外から来た人。中で暮らす人。
それぞれ訳ありな人々の、様々な人間模様。
訪れる人達の持つ「のんびりと平和」という勝手な農業のイメージは、次第に歪んで行き・・・

気が付いてしまった時、我々はどうするだろう
どうするべきだろう

見た目に騙されてはいませんか
いや 騙していませんよ
あなたが勝手に思い込んだんです


・・・とまあ、この説明だと、なんだか社会派のドロドロとしたブラックストーリーのようですが、
それほど簡単では無いのが、この作品の絶妙なところでした。


この劇団の公演を観たのは初めてなのですが、
そこに描かれているのは、もう、どうしようもないくらいに身近で、
誰にでも心当たりがある、人々の(我々の)『生活』風景である。

みんな、それぞれ思惑がある。
だが、人々の周囲には、絶対的な『暗黙の了解』がある。

みんな、なんとなく気づいている。
『生活』とは、なんとも微妙なバランスで成り立っていて、
『安心』なんて言葉とは、もっともかけ離れているんじゃないか。


物語が進むにしたがって、舞台上の人間達が生み出すのは、非常にイヤーな空気感です。
それぞれにイラッとする人もいるでしょう。

ですが、そのイラっとする部分は、まさに自分達が普段経験している
(あるいは自らが行っている)行動ではないのか。
その瞬間、我々は舞台上に自分達の生活の姿を見ます。


この作品の舞台は、とある地方の農家。
だが、そこでなくても、場所を変え、時代を変え、様々な場所でいくらでもそれは起こる。

「こんなところ、嫌われちゃったら何にもできないんだよ」
「みんなお前のこと嫌いだって言ってるよ。みーんな。」


箱庭(舞台)の円舞(道化芝居)を観ている我々は、いつでも出演者側になりうる。

前説での「見た目に騙されてはいけません」
「みなさんの側へ行くことなど簡単なのです」
というのは、創り手からの、警鐘であり、警告である。


だが、しかし、
それを絶妙なバランスで、出したり引っ込めたりするのが、
本当に「うけけけけけけ」なのである。


結局、希望を感じさせる人間が出てきながらも、最後にカタルシスはやってこない。
別の問題を「見ないように」して生きていく人々の姿は、見ている側に消化不良を起こさせる。

「球は投げました。あとはご自由に」

というスタンスは、物語を通して感じた【何かしら】を我々の中に沁みこめ、留める。
それが再び出てくるのはいつか?
1日後?それとも10年後?




ひとつだけ、気になったところがありました。
それは、随所に出てくる「はずし」の演出が多すぎたのではないかなあ?というところ。
緊張した空気を外すのがあまりに頻繁にあるため、そこは、もったいないなあと思ってしまいました。
それとも、それも狙いかな?



―とまあ、長々と書いてしまいましたが、
終演後に飲み会にまで参加してしまうくらい、楽しかったのでございます。
岩☆ロックさんも観に来てました。


主演の爺隠才蔵さんともお話させていただいたのですが、
構成員は男性だけなのだそうです。
これも興味深いところですね。
同姓だけで団体を運営していくって、難しいんですよ。
特に男性の場合、よほどの信頼感が無い限り、ついてきませんから。


次回も観てみたいなあ、と素直に思いました。
ヤナカさん、お誘いいただきありがとうございました!



―箱庭円舞曲の奏でる音楽は、ハーメルンの笛みたいに
観る者をどこかへ連れて行ってしまうのではなかろうか?―



ウマイこと言った と、思いつつ。






                           小櫃川 桃郎太(おびつがわ ももろうた)






2009/03/06 01:18 | Comments(2) | TrackBack() | 観劇記録
頑張れ『CoTiK』!!



なぜだか分からないのですが、パソコンからブログに書き込みができなくなり、
最近はもっぱらケータイから書き込んでいます。
時間取られるので、なかなか長文が書けないのですが、がんばります。


さて、既に先々週ですが今年も行ってきました!
 『柏市民劇場 CoTiK』!
(コティックと読みます)


簡単に言うと、千葉県柏市の住民が集まって、本格的な演劇の公演を打とうという企画です。
出演者は柏市にお住まいの老若男女で、ほとんどが演劇未経験。
今年は8歳~72歳までいらっしゃいました(!)。

※初演については過去記事
『観劇記録ロミオとジュリエット』をご覧ください。



昨年の『ロミオとジュリエット』に続き、今年は何をやるのかなあと思っていたら、

なんと『源氏物語』

「無茶な!!」って思いました(笑)。


おそらく知らない人はいない、古典の大作。
谷さんも脚本を書くにあたって、相当、命を削ったようです。
お疲れ様でございます。
来年は『忠臣蔵』でしょうか?(笑)


ちなみに光源氏役は、女性でした。これは良い手だったと思います。
ストーリーとしては、桐壷~明石まで。
いやあ、ほんに解りやすく創ってありました。
谷さん、凄いなあ。
そして、ひとりひとり役者が達者です。



まあ、作品についてあれこれ書くのは、他の方にまかせまして・・・

去年も書きましたが、内容がうんぬんより、
この企画自体が大変に意義のある事なので、
本当にそこは大事にしていって欲しいと思います。


だってさ、まったく世代の違う人達がこんなに必死になって何かをやろうとしているんだよ。
そしてそこには損得勘定なんてほとんど無いんだ。

収入なんて得られないんだもの。
苦労のほうが圧倒的に多いんだもの。


問答無用で熱くなれるおっちゃんやおばちゃんやガキんちょが居る。
しかも身近に。
それを知っただけで、どれだけ世界が変わることか。



おいおい、だれだい?

「今、この時代に源氏物語を公演する事の意味とはですね・・・」

なんて言っているうさんくさい奴は?
およびじゃないぜ、帰って寝てな。

大事なところはそこじゃあないよ。



三十路男の勝手な願いながら、
どうか、どうか、
この時間を大切にしていって欲しいと願います。
こういった出会いをすることは、なかなかに難しくて、
そして本当に幸運な事なのです。

物事を続けて行こうとする時に、どうしても様々な問題が出てきますが、
まず大事なのは、この瞬間を身体で記憶して、伝えていく事なのではないかな、
なんて思っています。勝手ながら。




柏に咲いた、この小さな芽は、
やがて大きな森を創るかも知れないよ。

タンポポの綿毛のように

飛んでゆけ 飛んでゆけ


軽やかに 風にのって





頑張れCoTiK。

小櫃川桃郎太一座は
『柏市民劇場CoTiK』を応援しています。




           小櫃川 桃郎太(おびつがわ ももろうた)
           ※千葉県木更津市 出身





2009/02/24 20:33 | Comments(0) | TrackBack() | 観劇記録

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