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2017/05/30 05:53 |
観劇記録 箱庭円舞曲 第十二楽章『メガネに騙された』


先週の事ですが、久々に下北で観劇してきました。
知り合いの役者さん、ヤナカケイスケさんからお誘いをいただき、観に行ったのです。


箱庭円舞曲 第十二楽章
『メガネに騙された』
脚本・演出・前説
古川貴義
@下北沢OFF・OFFシアター


いや、面白かった!!

私、刺激的な舞台を観ると、嬉しさと興奮で
「くけけけけけけけけっ」
と、筒井康隆の小説の登場人物のような笑いが込み上げてきてしまうのですが、
この舞台、のっけからありました。


すごく簡単に説明すると、舞台はとある地方の農家。
「都会を離れて農業をやりたい」という人達に、ノウハウや土地を斡旋したりする、あるお宅のお話。
農協も後押ししてくれて、「顔の見える農業」を目指す人々はやる気十分に取り組んでいくのですが・・・。
外から来た人。中で暮らす人。
それぞれ訳ありな人々の、様々な人間模様。
訪れる人達の持つ「のんびりと平和」という勝手な農業のイメージは、次第に歪んで行き・・・

気が付いてしまった時、我々はどうするだろう
どうするべきだろう

見た目に騙されてはいませんか
いや 騙していませんよ
あなたが勝手に思い込んだんです


・・・とまあ、この説明だと、なんだか社会派のドロドロとしたブラックストーリーのようですが、
それほど簡単では無いのが、この作品の絶妙なところでした。


この劇団の公演を観たのは初めてなのですが、
そこに描かれているのは、もう、どうしようもないくらいに身近で、
誰にでも心当たりがある、人々の(我々の)『生活』風景である。

みんな、それぞれ思惑がある。
だが、人々の周囲には、絶対的な『暗黙の了解』がある。

みんな、なんとなく気づいている。
『生活』とは、なんとも微妙なバランスで成り立っていて、
『安心』なんて言葉とは、もっともかけ離れているんじゃないか。


物語が進むにしたがって、舞台上の人間達が生み出すのは、非常にイヤーな空気感です。
それぞれにイラッとする人もいるでしょう。

ですが、そのイラっとする部分は、まさに自分達が普段経験している
(あるいは自らが行っている)行動ではないのか。
その瞬間、我々は舞台上に自分達の生活の姿を見ます。


この作品の舞台は、とある地方の農家。
だが、そこでなくても、場所を変え、時代を変え、様々な場所でいくらでもそれは起こる。

「こんなところ、嫌われちゃったら何にもできないんだよ」
「みんなお前のこと嫌いだって言ってるよ。みーんな。」


箱庭(舞台)の円舞(道化芝居)を観ている我々は、いつでも出演者側になりうる。

前説での「見た目に騙されてはいけません」
「みなさんの側へ行くことなど簡単なのです」
というのは、創り手からの、警鐘であり、警告である。


だが、しかし、
それを絶妙なバランスで、出したり引っ込めたりするのが、
本当に「うけけけけけけ」なのである。


結局、希望を感じさせる人間が出てきながらも、最後にカタルシスはやってこない。
別の問題を「見ないように」して生きていく人々の姿は、見ている側に消化不良を起こさせる。

「球は投げました。あとはご自由に」

というスタンスは、物語を通して感じた【何かしら】を我々の中に沁みこめ、留める。
それが再び出てくるのはいつか?
1日後?それとも10年後?




ひとつだけ、気になったところがありました。
それは、随所に出てくる「はずし」の演出が多すぎたのではないかなあ?というところ。
緊張した空気を外すのがあまりに頻繁にあるため、そこは、もったいないなあと思ってしまいました。
それとも、それも狙いかな?



―とまあ、長々と書いてしまいましたが、
終演後に飲み会にまで参加してしまうくらい、楽しかったのでございます。
岩☆ロックさんも観に来てました。


主演の爺隠才蔵さんともお話させていただいたのですが、
構成員は男性だけなのだそうです。
これも興味深いところですね。
同姓だけで団体を運営していくって、難しいんですよ。
特に男性の場合、よほどの信頼感が無い限り、ついてきませんから。


次回も観てみたいなあ、と素直に思いました。
ヤナカさん、お誘いいただきありがとうございました!



―箱庭円舞曲の奏でる音楽は、ハーメルンの笛みたいに
観る者をどこかへ連れて行ってしまうのではなかろうか?―



ウマイこと言った と、思いつつ。






                           小櫃川 桃郎太(おびつがわ ももろうた)





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2009/03/06 01:18 | Comments(2) | TrackBack(0) | 観劇記録

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コメント

平素はお世話になっております。かきざきです。
スレとは全然関係ないのですが、書き込みさせていただきました。

携帯がクラッシュしてしまって、連絡手段を失っておったのですが、
変わらずお元気そうで何よりです。

またお芝居を見に行きたかったりするので、
連絡を下さいませ。

自分の方は、表芸で出世してしまいまして、音楽の方はさっぱりです。
中間管理職丸出しで胃が痛いです。

そんなかんじでよろしゅうたのんます~
posted by かきざきat 2009/03/06 09:54 [ コメントを修正する ]
おおう! ビックリ☆
どうもお久しぶりです。

書き込みありがとうございます。
また、ご連絡いたしますね~。
posted by 小櫃川桃郎太at 2009/03/08 06:35 [ コメントを修正する ]

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