DULL-COLORED POP公演
『プルーフ/証明』を観劇。
いやあ、面白かった。
出演者全員よかったのだけど、特に中田顕史郎さんの演技が素晴らしかったです。
とても精緻な演技をする方ですねえ。
ひとつひとつの事柄が、小気味よいリズムで繰り出され、無駄が無い。
舞台上で、まるで謡っているか、踊っているかのような印象でした。
ミュージカルみたいというのではなく、観る者を惹きつけるのですね。
かなり好き放題やってるシーンもありましたが。(笑)
『小部屋の中のマリー』で共演していたのに、
あの時全然お話できなかったのが、今更ながら残念です。
清水那保さん演じるキャサリンは、とても儚くて、脆い。
「娘」として、最後まで父と共に居たひとりの人間を、優しく描いていました。
この方も年齢を重ねて、色々な味わいが出てきましたねえ。
『エリクシールの味わい』でも思ったのですが、彼女、非常にノースリーブが似合うのですね。
身長は大変小さいのですが(笑)、意外とがっしりした、いい骨格してます。
映像に出てみるのも良いのではないかしら? などと思ったり。
舞台上はテーブルと椅子のみという最小限の舞台装置。
これ、よかったですね。
サンモールスタジオの縦長の空間に、観客は情景を描く。
全体がキャンバスになる。
「シンプルで効果的な装置」と「お金をかけていない装置」という印象の境目は、
やはり演者の技量が大きい。空間を創るのは、演者ですから。
過去のシーンとか、儚くて美しかった。
たぶん、いい芝居って、「絵になる」シーンがいっぱいあるんですよ。
谷さんの翻訳は、本当に聴きやすく書かれているのでしょうね。
大前提として、それが無いと外国戯曲を舞台に上げても、あまり意味ないんだろうな。
セットが壊れかけたり、照明がトビかけたりと、色々とありましたが、
まあ、それもご愛嬌ということで。
『心が目を覚ます瞬間』も楽しみです。
奈津美さん、がんばって☆
駆け抜けろ、駆け抜けろ!!
小櫃川 桃郎太(おびつがわ ももろうた)