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2017/05/30 05:54 |
現実と虚構の狭間(はざま)で








【小部屋の中のマリー】終了から3日。

様々な感想がよせられているようです。
私も、ネット上で読ませていただいております。



書くべき事、書きたい事が様々あるのですが、

まずは
6(金)19:30の回が公演中止になった事について、
遅ればせながら、お詫びをさせていただきます。


前日の公演中に、役者が舞台上で怪我をしてしまったため、病院で検査を受けました。
幸い、精密検査の結果、特に異常は見られなかったそうですが、
主催の谷さんから
「医師から「24時間は絶対安静」との指示をいただいた事を踏まえ、
主催側の判断として、やむなく公演を中止します。申し訳ありません。」
との連絡をいただきました。

私の関係者、十数人の方々は、スケジュール上、この回以外では観劇ができず、
予約をキャンセルしていただく事になってしまった事を、深くお詫び申し上げます。

そして本来なら、この事は公演中止の当日に書かれなければならないのですが、文章の掲載が
このように遅くなってしまった事、重ねてお詫び申し上げます。

今回の公演が好評だっただけに、私としても残念でなりません。
今回、観劇のできなかった方々には、別の公演でお返しをさせていただきたいと思っております。




~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・



そして、この日、
例の『秋葉原通り魔事件』が起こりました。


私は、その時劇場に居て、事件の事をスタッフの方から聞いたのですが、
「なんて事だ・・・」と、愕然としてしまいました。


【マリー】の芝居中の台詞、

(安城)「狂っているヤツはごまんと居るよ。」

という言葉が脳裏をよぎり、うすら寒い感覚を味わったのを覚えています。



そして、これも芝居中の、特に重要ではない台詞ですが

(役者1)「マリーは政治にだって詳しいのです。」

(マリー)「フリー・チベット!!」

というのがあります。


私は、5月初めに入院していたため、その期間、やたらとニュースを見ていた訳ですが、
2週間程度の間に

『豊田 女子高校生殺害事件』が起こり、

『舞鶴 女子高校生殺害事件』が起こり、

『ミャンマー サイクロン災害』が起こり、

『四川省 大地震』が起こりました。

さらに、『マリー』の台本執筆中に
『オーストリアで24年間監禁』という事件が発表されています。



「フリーチベット!!」という言葉は、たった一ヶ月の間に
過去の産物となってしまっていました。

次々と起こる新たな事件、新たな報道によって、
人々の意識は常に【今の事件】に向かわざるを得ない状態になっているのです。

たとえ、過去の事柄が現在も進行しているとしても、それを報道から知る事は、まずできません。




私はその日、秋葉原の事件の事を考えながら、
【マリー】のレイトショー公演に向けて準備を進めていました。


現実社会では、作り話のような出来事がめまぐるしく起こり、過去の事件はどんどん埋もれていく。
新たな色の下に隠れ、塗りつぶされ、忘れられていく。

そんな中、『劇場』という小部屋の中で、
我々はこれから観客を相手に架空の事柄を演じようとしている。

それは現実の延長であり、写し身であり、残像であるはずなのに、
『外』の世界は恐ろしい速さで新たな色を塗り重ねていく。





これって、いったい何なのだろう。




深夜にも関わらず、多くの方が劇場に足を運んでくださいました。
私を含め、ほとんどの役者達は、そのまま劇場に泊まりました。寝床は客席です。

次の公演まで、10時間程度。
客席で横になりながら、頭の片隅に、
今、自分が寝ている場所から、そう離れていない、事件現場の事が浮かびました。




現実と虚構のはざまに立っている時、自分という存在は何処にあるのだろう。
何ができるのだろう。





そんなことを考えていました。




ひとつハッキリしている事は、
世相を先読みするとか、(事件にしろ流行にしろ)最先端を察知するとか、
それも大事なのかもしれないけど、それによって、視えづらくなる事、
埋もれてしまう事が数多くあって、
速さに対応しようとすることが、却って事態を悪化させているのではないか、という事。



疾走していく現実の鼻先を必死で追いかけるのではなく、
ただ、眺めているのでもなく、
自分達の足元にあるものを見据え、掘り起こしていく作業を繰り返す事が、
実は必要なのではないのか。



今は、そんなことを考えたりしています。






                           小櫃川 桃郎太(おびつがわ ももろうた)




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2008/06/13 02:25 | Comments(0) | TrackBack(0) | 桃郎太は考える

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