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2024/04/19 17:15 |
踊るダメ人間









10月になりました。
神無月ですね。
気温の変化の激しさに身体がわたわたしております。


書くことが色々あるのですが、まずは観劇の記録です。

『Project BUNGAKU太宰治』
http://www.alotf.com/pb/

という企画公演。
ダルカラの谷さんが参加しているとの事で行ってきました。


4人の演出家が太宰治の作品をそれぞれ演出するというもの。
それぞれ違った味があり興味深かったです。


演目は
ひょっとこ乱舞『HUMAN ROSTO』
青☆組『燈籠』
アロッタファジャイナ『ヴィヨンの妻』
DULL-COLORED POP『人間失格』
という順番で、各演目は約20分。


ひょっとこ乱舞は初観劇。
ディープな内容を時に軽やかに、何気なく進めて行く、ちょっと幻想的な世界。
今回は新たな手法を取り入れていたようですが、
個人的には、もっと肉体的なパワーが観たかったかな、という気がしてしまいました。
勝手にそういう団体だとイメージしていたので。
まあ、開演前の待ち時間で私が疲れてしまっていたところもあるのですが・・・


青☆組『燈籠』。
うん。まずは衣装と所作の美しさが好み☆
(和服だったのですよ。)
各所で『絵』になる場面がちりばめられていて素敵です。原作とは全然違う世界観なのにねえ。
吉田小夏さんは、毎回毎回、いいリズムで作品を送り出してくるなあ、と思います。
観ている側が、「ここで来て欲しい」というタイミングで、ばっちりと台詞・音・間などが入ってくる。
音楽的ですよね、なんか。
登場人物の人間くさい愚かさが、妙に美しく哀しく、まるで浮世絵のように描き出される。
こういう小説なのか?なんて思わせる作品でした。

 『ヴィヨンの妻』。
一番オーソドックスな演劇スタイルのような作品。
が、どこかしら確信犯的なズレがあって、その錯綜感がモヤモヤとした感じを生んでいました。
後半の、出演者がシルエットになるシーンが、やたらと印象的でした。


で、『人間失格』。
むう、面白い。
知人としてのひいきめを差し引いても、これは面白かったのです。

とりあえず、ものすごくわかり易かった。これ、すごい。
そこには太宰作品における、人間の普遍的な部分とかあるんでしょうけど、
アフタートークで香山リカさんが言っていた「人間のしょーもない所」を舞台上にハッキリと出していて、
「ああ、こんな人、今もいるなあ」
と、そこが非常にリアルに迫ってくる。

主人公を演じるのは女性。(『柿食う客』の女優コロさん。ものすごく素敵)
その後ろに立ち、内なる声を発する中年の男性。

翻弄され、堕ちていく様が情けなく愚かしい。


軸になって描かれている人間が、実は距離を取って演じられている。
距離を取った時にこそ、浮き彫りになる事柄があるのですね。


小説という二次元の作品を舞台上に立ち上げる試みなわけですが、
偶然か必然か、各団体とも、文章を解体し、役者の発する言葉(リズム)と身体(空気)で空間を支えて行く手法をベースにしていたように思います。
バラバラなようで、アプローチの仕方は基本的に同じだったのではないかと思うのですが、いかがでしょう?

まだまだ公演は序盤。
回を増す毎に、また違った味が出てくるかも知れませんね。



帰りに、久しぶりに谷さんと話をしました。
香山リカさんのサイン色紙をもらって、嬉しそう☆



ハマカワフミエさんが出演していて、こちらも久しぶりにお話できました。
楽しかった。

お二人とも、後半もがんばってくださいね。



小櫃川 桃郎太(おびつがわ ももろうた)

 


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2010/10/02 01:55 | Comments(0) | TrackBack() | 観劇記録

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