さてさて、嬉しい事に会場は超満員。
寒い中、遠くから観に来てくれた方。
夕方に配ったビラを見て来てくれた方。
通りがかりに足を止めてくださった方。
夕方に配ったビラを見て来てくれた方。
通りがかりに足を止めてくださった方。
お年寄りからお子さんまで、実に幅広くその数約70人。
家族連れが多かったのが嬉しかったなあ。
通りがかって、途中で抜けていった方を含めたら、100人は超えていたのではないか、との事。
家族連れが多かったのが嬉しかったなあ。
通りがかって、途中で抜けていった方を含めたら、100人は超えていたのではないか、との事。
谷さんの口上が始まる。
本当に楽しそうだなあ。
谷さんのいいところは、やんちゃなところである。
外国戯曲の翻訳などをやっていたり、ともするとガチガチに
インテリっぽくなってしまいそうなところなのだが、根底にいたずら心がある。
インテリっぽくなってしまいそうなところなのだが、根底にいたずら心がある。
良い意味で『悪ガキ』なのだ。
この部分は大事にしていって欲しいなと思う。
役者達が登場。
死霊(死体)役の菅野さんが白装束で現れ、地べたに寝転がると、観客席からどよめきが。
これは「寒そう・・・」という事だったのでしょう。実際、菅野さん、凍えてましたから。
一番手の危村さんが、持ち前のバイタリティで暴れまわる。
死体(菅野さん)に酒をかけたり、歌い始めたりと、
観客のハートをがっちりと掴みました。
ロックさん、猫道さんもそれぞれの持ち味を十分に発揮。
ロックさんのダンディーな声が奥様方をとりこに。
猫道さんは手作りの号外(上の写真)を配り、虚実交えたトークで観客を同じ空間に誘い込む。
観客のツボが見事にバラバラで、別々の箇所から笑いが起こります。
そして私の出番となりました。
今回は、なんと老婆の役。
役柄上、かなり自由の利く役だったので、好き放題やらせていただきました。
いやあ、反応よくて助かりました。
老婆以降の3人(田襄丸・真砂・武弘)は笑いを取るキャラではないので、ここで勢いをつけて渡さなければ、と思っていましたが、良い具合にバトンを渡せたようです。
≪反復横とび≫は、狙いどおりの爆笑! よっしゃ!
今回、初めてお会いした大野さんの田襄丸。ずっと縛られたままです(笑)。
大野さんの声がとても素敵でした。ああいった≪男くささ≫は、私には真似ができません。
ずっと座ったまま、言葉だけで観客を引きつける難しい役でしたが、見事に演じていました。
真砂役のハマカワさんが、登場前に頭から水をかぶると、観客の視線は釘付けに。
この方の役者根性も素晴らしい。
『雪女』をこの方が演じるのを見てみたいな、と勝手に思いました。
そして、ついに! 開演からずっと地面に寝転がっていた菅野さんが起き上がりました。
夜の街の片隅で荒々しく語られる死霊の嘆き。
吐き出されては風に吹かれ消えていく、呪詛の言葉。
吐き出されては風に吹かれ消えていく、呪詛の言葉。
これは野外ならではの迫力。劇場では味わえない言霊の力があったでしょう。
菅野さんの声も、とても聞き応えがありました。
終演と共に大きな拍手。
本当に、一夜限りの夢のような舞台でした。
柏の方々に、どんな足跡を残せたのか、どんな想いを呼び起こさせたのか。
それは確認のしようがありませんが、きっと意義のある公演だった、と思っております。
今回の公演形態は、非常に興味深く、参考になりました。
刺激を受けつつ、自分も、もっともっと前に出なければと思い、柏の街を後にしました。
ちなみに、頭は白髪のまま (笑)。
共演者の方々、関係者の方々、ありがとうございました!
劇団河馬壱の三沼さんとcozyさん、寒い中、御来場ありがとうございました!
差し入れ、嬉しかったです!
そして、ひょっとしたら、このブログを読んでくださった柏市の皆さん、ありがとうございました!
小櫃川 桃郎太(おびつがわ ももろうた)
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さて、コンサートが終わり、ホッとしたのもつかの間。
4日(日)は柏市との提携イベント
路上芝居『藪の中』に出演してきました。
以前ブログに書いた【DULL-COLORED POP】(以下、ダルカラ)の主催、
谷賢一さんのお誘いで、出演する事になりました。
谷賢一さんのお誘いで、出演する事になりました。
『藪の中』は、芥川龍之介の作品。
ある一体の死体をめぐり、関係者達が一人ひとり証言していくのですが、
それぞれの証言はバラバラでつじつまが合わない。
それぞれの証言はバラバラでつじつまが合わない。
だが、それぞれ、説得力と現実味がある。
さて、真相は・・・?
「真相は藪の中に・・・」の語源になった、とても短いスリリングな小説です。
ダルカラ谷さんから「路上芝居に出演しませんか?」と言われ、
「いいですよ。」と二つ返事で受けてしまったこの企画。
なんだか、楽しそうな予感がしたのである。
出演者リストのメールを読んだとき、思わず小躍りしてしまいましたよ。
以前から共演してみたかった猫道さんとハマカワフミエさん。
5月に知り合ったばかりですが、やはり、やりあってみたかった岩☆ロックさん。
そして、『雪女』以来の共演、危村武士さん。
さらに谷さんがどういった演出をしてくるのか?
もう、ワクワクですよ。
そして、今回の公演でお知り合いになれた、菅野貴夫さんと大野遥さん。
二人ともタイプは違いますが、非常に≪オトコ≫の香りのする役者さんでした。
ああ、また新たな出会いが・・・嬉しい。
稽古回数は非常に少なかったです。
限られた時間の中で、あーでもない、こーでもない、と意見を出し合いながら、
兎にも角にも本番当日、柏へ集合。
兎にも角にも本番当日、柏へ集合。
私、着物で行ってきました。
柏駅の改札をくぐると、紅い番傘を持ったジャージ姿の谷さんが(笑)。
続いて旅僧のような格好のロックさん登場。
で、着物の私。
すでに何者なんだか分かりません。
会場に到着し、やはり最初に声の響きを確認しました。
先日のいちょうホールとはまったく異空間。
そりゃあそうだろう。外だもの。
そりゃあそうだろう。外だもの。
で、皆さんそれぞれで動き回ったり、声を出したりしていたのですが、
通りがかりの人達が、不思議そうに見ていったり、足を止めたりしていきます。
通りがかりの人達が、不思議そうに見ていったり、足を止めたりしていきます。
これ、非常に楽しい。
そんな中、ひとりの女の子が通りの向かいからやって来て、
ニコニコしながら我々の稽古を見ていました。
ニコニコしながら我々の稽古を見ていました。
しばらくじーっと見ていたので、チラシを持っていって、
「ゆっくり見ててね。よかったら夜にも見に来てね。」
と言ったら、さらにニコニコ。
と言ったら、さらにニコニコ。
その後、20~30分くらいずっと稽古の様子を見ていました。
これは、本当に、本当に、本当に素晴らしい瞬間でした。
小櫃川一座の目指す『お芝居』のカタチのひとつが、この瞬間にあったのです。
その子が、本番の公演も観に来ていたかは確認ができませんでしたが、それでもいいのです。
あの子はひょっとしたら家に帰ったとき、お母さんに
「こんな事があったよ」と嬉しそうに話すかもしれません。
「こんな事があったよ」と嬉しそうに話すかもしれません。
または話さないで、自分だけの大切なものとして秘密にしておくかもしれません。
ひょっとしたら、これをキッカケに『お芝居』の存在を知るかもしれないのです。
こんなに素晴らしい事はありません。
・・・ちょっと熱く語ってしまいました。失礼。
この子のほかにも、子供達がワイワイと集まっては去って行きました。
注目を集めた要因のひとつは、我々が着物を着ていたからでしょうね。猫道さん、刀持ってたし(笑)。
やはり和装は目立つのだ。
注目を集めた要因のひとつは、我々が着物を着ていたからでしょうね。猫道さん、刀持ってたし(笑)。
やはり和装は目立つのだ。
16時。衣装に着替え、本番の格好で柏駅前でビラ配り。
まあ、チンドン屋さながらに拍子木を叩き、番傘を差し、大声張り上げ、配る配る。
谷さんがとても生き生きしていました(笑)。
柏市の人達はとても寛容で、家族連れや学生など、けっこう喜んで受け取ってくれていました。
いい街だなあ。
しかし、日が暮れてどんどん気温が下がって来るに連れ
「本当にお客さん集まるんだろうか・・・」
という不安が頭をよぎります。
何しろ、普段の公演と違って、現地で観客を動員するのですから、まったく予想ができません。
しかも開演は18時半。
テレビが面白くなってくる時間である。ご飯の時間である。
加えて、外は寒い。
加えて、外は寒い。
会場に用意された椅子は30席。
「4~5人だけの可能性もあるな・・・」
などと思いつつ、楽屋代わりのロビーで待機していると、谷さんが登場。
「間もなく開演します。客席は満員です。立ち見も出てます。」
・・・マジっすか!?
つづく
前回書きましたが、先週、ふたつのイベントに出演してきました。
それぞれ、書くことがたくさんあるので、3回に分けます。
長くてすみません。
まずは11月2日(金)
アンサンブル*レェヴ コンサート
『ノスタルヂア~母ありて サトウハチローの詩によせて』
@八王子いちょうホール
声楽家・前田那大子さんが中心となり、
アンサンブルレェヴとブランという団体と共に定期的に行われるコンサート。
アンサンブルレェヴとブランという団体と共に定期的に行われるコンサート。
ブランの方々は、前田さんが教える声楽教室の生徒さんたち。主婦の方がほとんどだそうです。
レェヴのコンサートは、3年ほど前からスタッフとしてお手伝いさせていただいていたのですが、ブランとのコンサートに関わったのは初めてです。
歌の合間にひょこっと現れ、サトウハチローの書いた詩を朗読するという役だったのですが、
稽古で演出の中川さんと話しているうち、
「これ、けっこう大役なんじゃなかろうか・・・」と、不安になってしまいました。
稽古で演出の中川さんと話しているうち、
「これ、けっこう大役なんじゃなかろうか・・・」と、不安になってしまいました。
出演する回数がとても多いのである。
ただでさえ朗読という分野は経験が浅いのに・・・ヤバイ。
詩というのは、一言一句がとてもとても重要で、読み間違いは許されない。
どこの行間で間を取るか。どれだけ取るか。音の上げ下げ、トーンの変化とバランス。
とても繊細な作業が要求される。
加えて、今回は動きを入れながら、客席も使って読むという。
さらに、コンサートの次の次の日には、『藪の中』の本番が待っているのである。
そちらの全容も、この時点では全く決まっておらず、不安は増すばかり・・・。
が、とにかくやるしかない!
ちょっとした時間に何度も詩を読み返し、イメージトレーニングを繰り返す。
『藪の中』の稽古も同時進行でした。
コンサート当日。
昼に現地入りをし、仕込みを手伝いながら声の反響を確認。
自分達が普段使う劇場とはまったく違う。声が跳ね返ってくる感じがする。
収容人数は150人くらいだろうか。
客席は全体に木目調で、体育館みたいな雰囲気である。
15時から場当たりを含んだゲネプロ。
何しろ、照明のスタッフさんも当日に合わせるので大変。
全員の立ち居地とキッカケの確認・修正をし、もちろん全曲歌う。
ゲネプロ終了したのが18時過ぎ。
開場は18時半である(!)。
それでも定時に幕は開いた。素晴らしい。
コンサート本番のベルが鳴る。
私の朗読から始まりました。
レェヴとブランの方々に、いい流れを創れるよう、集中力を高めて読む。
いったん袖に戻り、ピアノと歌に耳を傾ける。
数曲歌が続き、拍手が起こる。
前田さんの挨拶が終わり、再び歌が始まる。
歌の世界と自分を繋ぎ、次の出番に備える。
そして再び舞台に―。
第一部は終了。
休憩を挟み、第二部の開始。
二部では前田さんのソロや、他の楽器の演奏を交え、より幅の広い自由な構成でした。
前田さんがソロで唄った『爪色の雨』が素晴らしかった。
しっとりと、しかし激しく、力強く・・・。
客席では聞けなかったのだが、機会があれば是非、観客として聴いてみたい。
『悲しくてやりきれない』はレェヴの皆さんとギター・コントラバス・ピアノという構成。
これも良かった。
次に私が読む詩が、この歌の雰囲気を引っ張ってはいけないものだったのですが、
思わず聞き入ってしまいそうになりました。泣けます。
思わず聞き入ってしまいそうになりました。泣けます。
あとは『夕方のおかあさん』『空気がうまい』も好きだなあ。
あ、あと『スカンクカンク プウ』。これには度肝を抜かれました。
気になる人は調べてみよう!
無事にコンサートは終了し、打ち上げ会場へ。
出演者の皆さんやお客さま達に本当に喜んでいただいて、嬉しくなってしまいました。
関係者の皆さん、ご来場の皆さん、ありがとうございました!
このコンサートは今月23日(金祝)に、再び開催します。
構成・演出も新たに、青梅の聞修院(もんしゅいん)というお寺の本堂(!)で行われるのです。
私も再び朗読担当として出演いたします。
詳細はまた後日!
小櫃川桃郎太(おびつがわ ももろうた)
『魔夏二放ツ独演ノ狂宴』無事に終了いたしました。
御来場くださった皆さん、ありがとうございました!
写メール、たくさん撮っていただいてありがとうございます。
是非、こちらへ↓
ob2-mo2@r4.dion.ne.jp
是非、こちらへ↓
ob2-mo2@r4.dion.ne.jp
『怪談・まんじゅう怖い』いかがだったでしょうか?
アンケートを読むと、
「ホッとした」とか「ホットミルクを飲んだ感じ」といった感想が多く見られました。
これはとても嬉しいです。
今回、出演者の顔ぶれを見て、自分はそのポジションになるだろうな、という、
少しいやらしいですが、まあ、そういう計算はありました(笑)。
今回、出演者の顔ぶれを見て、自分はそのポジションになるだろうな、という、
少しいやらしいですが、まあ、そういう計算はありました(笑)。
おそらく、他の出演者はけっこうキツイ内容の作品を出してくるだろう。
ならば、自分はアクセントになりうる、と。
ならば、自分はアクセントになりうる、と。
しかし、寸前までそこは悩みました。
与一の、まんじゅうが怖くなった理由。
女房か娘、どちらかが「死」という結末に至らないと、与一の苦悩が表現しきれないのではないか?
そんな意識が付きまといました。当初は、女房が死ぬ設定になっていたのです。
そんな意識が付きまといました。当初は、女房が死ぬ設定になっていたのです。
しかし、小夜子と与一の関係性、与一が起こす行動の結果に残る想い。
やはり焦点はそこにしたかったのです。
だって、小夜子は生きていかなくてはならないのですから。
やはり焦点はそこにしたかったのです。
だって、小夜子は生きていかなくてはならないのですから。
実は、自分の出演寸前になって、またもや「設定を変えようか?」
という考えが浮かび上がってきたのです。
が、しかし、稽古してきたモノの重要な部分を寸前で変えることは、絶対に良い結果にならない
ということを経験上で知っていたので、踏みとどまる事ができました。
という考えが浮かび上がってきたのです。
が、しかし、稽古してきたモノの重要な部分を寸前で変えることは、絶対に良い結果にならない
ということを経験上で知っていたので、踏みとどまる事ができました。
「仕方がない。俺が作品を創る場合、どうしてもこういう作品になるのだ。」
そう思い、舞台に上がりました。
皆さんが、与一と小夜子のそれぞれにどんな思いを抱いたか、気になるところではあります。
きっと、意見が分かれるのでは?
きっと、意見が分かれるのでは?
今回のイベントで、観客は、ある5人の男女の『人間模様』を観たことになります。
各作品の登場人物達は、ある点において一途で、滑稽で、
しかし愛すべき、真面目で、ひたすらに不器用な人間達だったのではないでしょうか。
それは、
しかし愛すべき、真面目で、ひたすらに不器用な人間達だったのではないでしょうか。
それは、
ハマカワさんの『無償の愛をひたすらに求める孤独な女性』であり、
ロックさんの『故郷と家族と自分の現状』であり、
猫道さんの『果てまで進む男の美学と無限地獄』であり、
小櫃川の『悲しくてやりきれない夜』であり、
ミサイルさんの『内に潜む魔獣との戦い』なのではないか、と思うのです。
彼らは、それでも生きていく訳ですから。
偶然か、それとも必然か、
このイベント自体が、あるテーマの下に創られたオムニバス作品集のようになっていたことは、
観客にとって、出演者にとって、幸福だったのだと思います。
このイベント自体が、あるテーマの下に創られたオムニバス作品集のようになっていたことは、
観客にとって、出演者にとって、幸福だったのだと思います。
脚本をまとめて、一冊の本にしてみたいですね。
ミサイルさんのはどうなるか予想ができませんが(笑)。
狂宴してくださった皆さん、スタッフの皆さん、ありがとうございました!
楽しかったです!
小櫃川桃郎太(おびつがわ ももろうた)
『コンドルが飛んどる』、無事に終了いたしました。
御来場くださった皆さん、
応援してくださった皆さん、
誠にありがとうございました。
本日は、『猫道ロックフェス』の関係者の方々が
いらっしゃってくださいました。
谷さん、差し入れ、ありがとうございました☆
打ち上げも終了し、先ほど帰宅しました。
・・・終わったなあ、今年も。
なんだか、今年は特に寂しさが強いです。
一年に一回の、大事な大事な時間。
終わってホッとしたあと、無性に寂しさが沸き起こる。
「また来年ね。」「楽しみにしてるね。」
そんな風に、それぞれが帰って行きます。
私は客演であるし、外部の者です。
でも、この感じている気持ちは一緒なんだろうな。
河馬壱の皆さん、お疲れ様でした!
小櫃川 桃郎太(おびつがわ ももろうた)