なにげにね
お芝居に関わり始めて、15年以上になるのですがね
いい出会いをしてきたんだなあ
と思うのですよ
そりゃあね いい思い出ばっかりじゃありませんけどさ
本当にいい出会いをさせてもらってるんですよ
自分の周りには 尊敬する人がいっぱいいっぱいいましてね
お芝居やってなかったら 絶対出会ってないだろうなあっていう人が本当にいっぱいいるんです
その人たちに逢えなかったら
ずいぶん人生違っていたんだろうなあ と
霜月の夜
そんな事を考えた次第
小櫃川 桃郎太(おびつがわ ももろうた)
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何だか、細胞全部で吼えまくりたいような
そんな夜がある。
時々だけど。
手足の指先に、ぎりぎりと力が篭もる。
あらん限りの声で叫びだすような
誰もいない直線道路のど真ん中を全速力で駆け抜けるような
そんな圧力。
遠吠えだろうがなんだろうが
吼えたらいい。
春だもの。
がおー
がおー
がおおー
小櫃川 桃郎太(おびつがわ ももろうた)
「演劇とは、刹那の出会いである。」
誰かが、そう言ったような気がするが、自分がそう思っただけかも知れない。
稽古期間から考えて、ほんの数ヶ月。
公演期間で考えれば、わずか三日間。
役者と、スタッフと、観客が、2時間足らずの間に出会う。
その、刹那の出会いに、役者もスタッフも全身全霊を込める。
同じ出会いは、二度と無い。
すべては、その一時に限られる。
良き出会いとなるために、
自分の力のすべてを込める。
「おつかれさま」と
心から言えたなら、
それは、きっと、良き出会いだったのだろう。
大きくても小さくても
その、刹那の出会いには
きっと、何か意味がある 。
小櫃川 桃郎太(おびつがわ ももろうた)
つまりはやはりこういうことで
そこを無しには生きれぬわけで
それはひたすらあたたかく
心の奥に染みていく
それはたしかにここにいる
たしかにそれはそこにある
しまっておけたらよいのだけれど
それもなかなかむずかしい
明ける夜空と頬冷やす風
さりげなくさりげなく
歩く速度をゆるめずに
はぐれぬように気をつけながら
小櫃川 桃郎太(おびつがわ ももろうた)